『せめて君だけには笑っていて欲しいから』
『君の笑顔が見ていたいから』
『もう…辛い事なんて無いから…。』

僕はその時、あの選択肢しか出来なかった。気が付けば彼女のか弱い腕を引っ張って店を飛び出していた。
彼女が怯えている事にも気付かず、僕はただ…彼女を幸せにしてあげたいと必死だった。
それが最初の間違いだったのかも知れない、彼女は僕の家に来ると俯いたまま案内された部屋へと気まずいながらも消えていった。
あの子が最初で最後の人じゃないのに…なのに僕はあの子のために何かできることはないかと必死だった。
でも、あの子は…彼女は…僕が考えているより遠い存在ではなく、あまりにも近すぎる存在でもなかった。
夜中、突然物音がして目が覚めた。僕の部屋に何かが侵入してくる気配、だがそれはあの子だとすぐに解った。
月明かりが彼女を照らし、パジャマ姿のまま僕に近づき…そして身を任せた。
「暫く、このままで居させて下さい…。」
とても震えた声でそう言った。

誰かがではなくて、僕がやるんだ。
終わりがあるのならば、きっと始まりもある…
FINE-D.C.-


















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